- 細手|ほそで
座敷童子の一種・異名として伝わる存在で、つるのように細長い手で人を招き、洪水や津波などの災いを知らせるものとされる。 - 弁慶堀の河太郎|べんけいぼりのかわたろう
江戸城外堀の弁慶堀にいたとされる河童で、『甲子夜話』にも見える伝承上の存在。 - 式神|しきがみ
陰陽師が使役する鬼神・霊的存在で、「識神」とも書かれる。 - 彭侯|ほうこう
中国由来の樹木の精霊で、日本でも妖怪・木霊類の文脈で語られる。 - 影女|かげおんな
鳥山石燕の妖怪画にも見える妖怪で、月夜の障子に女の影だけが映る怪異として知られる。 - 後眼(親にらみ)|うしろめ
後頭部に目を持つように描かれる妖怪で、「親にらみ」は同系統・別称として扱われる。 - 後神|うしろがみ
人の背後に現れて後ろ髪を引く妖怪で、のちには未練やためらいを象徴する存在としても解釈された。 - 後追い小僧|あとおいこぞう
山道で人の後ろをついてくるとされる子ども姿の妖怪で、丹沢地方などの伝承で知られる。 - 応声虫|おうせいちゅう
腹の中にいて声に応じるとされた怪虫で、中国・日本の怪異譚に見える存在。 - 怨霊|おんりょう
強い恨みを残して祟りや災厄をもたらす霊の総称で、日本の怪異観で重要な概念。 - オボラ|おぼら
怪火の一種で、死者の魂の火のように理解されることがある地方伝承の火。 - スウリカンコ|すうりかんこ
青森県などに伝わる怪火で、生き埋めにされた女性「かんこ」の怨みと結びつけて語られる。 - 地黄煎火|じおうせんび
殺された飴売りの執着が火となったとされる怪火で、『絵本小夜時雨』などに見える。 - 権五郎火|ごんごろうび
殺された博徒・権五郎の怨念が火となったとされる怪火で、新潟県三条周辺の伝承で知られる。 - 煤け提灯|すすけちょうちん
新潟県の伝承に見える怪火で、死体を洗った湯を捨てた場所から出る火玉とされる。 - 筬火|おさび
延岡地方に伝わる怪火で、池に現れる二つの火として語られる。 - 蜘蛛火|くもび
多数の蜘蛛が一つの火のように見える怪異で、当たると死ぬとも伝えられる怪火。 - 野火|のび
土佐の伝承に見える怪火で、大きな火が多数の小さな光に散るものとして語られる。 - 金の神の火|かねのかみのひ
年越しの夜などに現れるとされた怪火で、歳徳神のしるしのように説明されることがある。 - 金火|きんか
『三州奇談』などに見える怪火で、火の緒を引くように飛ぶ火として語られる。 - 悪路神の火|あくろじんのひ
伊勢の猪草ヶ淵に現れるとされた怪火で、江戸期の採薬記録や随筆にも見える。 - 悪鬼|あっき
人に害を与える鬼・邪悪な鬼の総称で、疫病や災厄と結びつけて語られることが多い。 - 懸衣翁|けんえおう
三途の川のほとりで奪衣婆と対になる老人で、死者の衣を扱う冥界の存在として語られる。 - 手の目|てのめ
鳥山石燕の妖怪画に見える妖怪で、江戸時代の妖怪図像としてよく知られる。 - 手洗鬼|てあらいおに
『絵本百物語』に見える巨大な鬼で、山や海をまたぐほどの巨人めいた存在として描かれる。 - 手負蛇|ておいへび
傷を負った蛇の執念や祟りを語る怪異譚に基づく存在で、『絵本百物語』にも見える。 - 手長婆|てながばばあ
長い腕を持つ老婆の怪異で、土地によって人をさらう存在や海に手を伸ばす巨女として語られる。 - 手長足長|てながあしなが
各地の伝承に見える長い手足を持つ巨人・異形で、昔話や民間伝承上の存在として知られる。 - 払子守|ほっすもり
払子(ほっす)が化けた付喪神で、『百器徒然袋』に見える。 - 提灯お化け|ちょうちんおばけ
提灯が化けた妖怪の総称的な呼び名で、舌や目のある提灯の姿で広く知られる。 - 提灯小僧|ちょうちんこぞう
提灯を持った子どもの姿で現れる妖怪で、仙台地方の伝承などで知られる。 - 提灯火|ちょうちんび
夜道などに現れる提灯のような怪火で、地方によっては狸火の一種としても語られる。 - 撫で座頭(無眼)|なでざとう
妖怪絵巻に見える座頭姿の妖怪で、「無眼」は同じ系統の呼称として整理できる。 - 文車妖妃|ふぐるまようひ
古い文や恋文の執念が妖怪化したものと解釈される存在で、鳥山石燕の作品でも知られる。 - 実盛虫|さねもりむし
稲につく害虫の呼び名で、斎藤実盛の怨霊が虫になったという伝承と結びついている。 - 日和坊|ひよりぼう
晴天の日に現れ、雨の日には姿を見せないとされる天候の妖怪で、てるてる坊主とも関係づけられる。 - 旧鼠|きゅうそ
長い年月を経た鼠が妖怪化したものとされ、『絵本百物語』などに見える。 - 橋杭笑地蔵菩薩|はしくいわらいじぞうぼさつ
明台寺に伝わる霊験譚をもつ地蔵で、和歌に感じ入って口元が笑ったという由来からこの名で呼ばれる。 - 明石様|あかしさま
神奈川県横浜市保土ケ谷に伝わる妖怪で、夜に子どもへ外出を戒める存在として語られた。 - 暮露暮露団|ぼろぼろとん
古びた唐傘などの付喪神に通じる妖怪で、『百器徒然袋』に見える。 - 月の兎|つきのうさぎ
月の模様を兎に見立てる民間伝承上の存在で、日本では餅をつく兎として親しまれている。 - 月照寺の大亀|げっしょうじのおおがめ
松江の月照寺にある大亀像にまつわる伝承で、夜に動く「化け亀」として語られ、石碑を載せて封じたという話が残る。 - 朧車|おぼろぐるま
平安貴族の牛車にまつわる怨念が妖怪化したものとされる、車輪付きの異形の妖怪。
- 木の子|きのこ
近畿地方に伝わる妖怪で、奈良県吉野地方や兵庫県の山間部・森の中にいるとされる。山童の一種とされ、子どものような姿で現れ、弁当を盗むなどの悪戯をすると伝えられる。 - 木の葉天狗|このはてんぐ
江戸時代の随筆や怪談などに多く見える天狗の一種で、境鳥(さかいどり)とも呼ばれる。 - 木綿ひき婆|もめんひきばば
福岡県に伝わる妖怪。空き地の古木が風に鳴る音を綿繰り車の音に見立てた伝承で、木の下に白髪の老婆が現れて綿繰り車を回すとも語られる。 - 木霊/木魅|こだま
樹木に宿る精霊、またはその宿った木を指す名。山や谷に響くこだま現象とも結び付けられ、木を切ると祟ると考えられてきた。石燕は「木魅」の表記でも描いている。 - 木魚達磨|もくぎょだるま
鳥山石燕『百器徒然袋』に描かれた妖怪で、達磨のような顔をした木魚の姿で表される。木魚と達磨の「眠らず修行する」連想から石燕が創作したものと考えられている。 - 札返し|ふだかえし
『狂歌百物語』に見える霊で、戸口の護符を自分では剥がせないため、人を脅したり取り引きしたりして剥がさせようとする怪異として語られる。別名「札へがし」。 - 朱の盆/朱の盤|しゅのばん
人を驚かせ魂を抜くとされた妖怪。本来の読みは「しゅのばん」で、近代以降に「しゅのぼん」という呼び方が広まったとされる。 - 板鬼|いたおに
『今昔物語集』に登場する妖怪。原典では「板の鬼」とあり、「板鬼」という名称は水木しげるの著書による整理名とされる。 - 枕返し/反枕|まくらがえし
夜中に枕元へ現れ、枕をひっくり返したり頭と足の向きを変えたりするとされる妖怪。姿は子どもや坊主ともいうが、定まった外見は伝わっていない。 - 柳女|やなぎおんな
『絵本百物語』にある柳の怪異。柳の枝に首を巻かれて死んだ女の執念が木に残り、夜ごと泣いて現れるとされる。 - 柳婆|やなぎばば
『絵本百物語』にある柳の怪異。読みは「やなぎばば」で、一覧にあった「やなぎばばあ」は修正対象。 - 栄螺鬼|さざえおに
鳥山石燕『百器徒然袋』にある、サザエが妖怪化したもの。日本妖怪として広く知られる。 - 桂男|かつらおとこ
中国神話では月に住む伝説上の存在で、日本では妖怪としても扱われる。月の桂を切り続ける呉剛伝説と結び付く。 - 桂蔵坊|けいぞうぼう
鳥取県東部に伝わる狐の伝説。経蔵坊狐・飛脚狐とも呼ばれ、若侍に化けて江戸まで往復する術を持つ狐として語られる。 - 桐一兵衛|きりいちべい
新潟県南魚沼郡や南蒲原郡に伝わる妖怪。別名に「斬一倍(きりいちばい)」がある。 - 槍毛長|やりけちょう
『百器徒然袋』にある毛槍の妖怪。先端に毛の付いた毛槍が妖怪化した姿とされる。 - 樹木子|じゅぼっこ
木の妖怪として知られるが、現在は水木しげる以前の戦後資料に見える創作系の妖怪とみられている。戦場跡の木が死者の血を吸って妖怪化したという設定で広まった。 - 橋姫|はしひめ
橋にまつわる日本の伝承に現れる女性・鬼女・女神。橋の守護神として祀られる一方、嫉妬深い神として語られることもある。 - 機尋|はたひろ
鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』に描かれた布の妖怪。機で織られた布に女の怨念がこもり、蛇の姿となって夫を探しに行く怪異として説明される。 - 次第高|しだいだか
中国地方に伝わる人型の妖怪。見上げるほど背が高くなり、逆に見下ろすと小さくなって消えるとされる。見越入道の類とされる。 - 正吉河童|しょうきちかっぱ
豊後国に伝わる河童伝承の名。『川太郎伝』や『日田郡誌』に記載があり、「正吉河童」という呼称自体は水木しげるによる整理名とされる。 - 死人憑|しびとつき
死体に別の霊が取り憑くという怪異。『因伯伝説集』には、死んだ百姓が突然起き上がって暴れ、腐敗しながら飲食を続けたという話が載る。 - 死神|しにがみ
人を死へ誘う、あるいは死ぬ気を起こさせるとされる存在。日本の宗教・古典・民間信仰・大衆文化の中で多様に語られてきた。 - 死霊|しりょう
死者の霊魂を指す語で、生霊の対語としても用いられる。妖怪名というより霊的存在一般を表す語として定着している。 - 殺生石|せっしょうせき
栃木県那須町の那須湯本温泉付近にある溶岩で、周辺の火山性ガスにより鳥獣が死ぬことからこの名で呼ばれる。九尾の狐・玉藻前伝説とも結び付く著名な伝承地。 - 毛倡妓|けじょうろう
鳥山石燕『今昔画図続百鬼』などに見える妖怪。髪がぼうぼうと伸びた遊女の姿で、遊廓に現れるとされる。別名「毛女郎」。 - 毛羽毛現/希有希現|けうけげん
鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』にある毛むくじゃらの妖怪。「希有希見」「希有希現」などの表記も見られ、めったに見ないことを含意する名とされる。 - 水乞幽霊/遺言幽霊|みずこいゆうれい/ゆいごんゆうれい
『絵本百物語』に見える幽霊。遺言を残せなかった者や、飢え・渇きのまま死んだ者の執念がこの世に残ったものとして語られる。 - 水虎|すいこ
本来は中国の川にいたとされる伝説上の生き物で、日本では江戸時代以降、主に知識人の間で河童類の漢語名としても用いられた。 - 水虎様|すいこさま
青森県津軽地方の信仰に見られる水神。正式名は水虎大明神で、河童を率いる上位の存在、または河童そのものとみなされることもある。水難除けの神として祀られる。 - 水釈天|すいしゃくてん
寺社や民間信仰に見られた水の神。帝釈天の使い、水天に当たる存在ともみられ、治水や稲作の守り神として各地で祀られた。 - 池袋の女|いけぶくろのおんな
江戸時代末期の俗信。池袋の女性を雇った家では怪音や家具が飛ぶなどの怪異が起こるとされた。 - 沓頬|くつつら
鳥山石燕『百器徒然袋』に描かれた妖怪。沓を載せた獣人のような姿で、中国の瓜畑の怪異譚をもとにしたものと説明されている。 - 河女|かわおなご
青森県浪岡に伝わる妖怪名。現存記事は出典が乏しいため、説明は伝承地と名称確認の範囲にとどめるのが安全。 - 河媼|かわうば
青森県西目屋村に伝わる妖怪。『谷の響』には、岩木川上流で木こりたちが老婆の声を聞いた怪談が記されている。 - 河童|かっぱ
日本全国に伝承される代表的な水辺の妖怪。地方によって呼び名や姿が大きく異なり、古くは「河太郎(かわたろう)」などの名でも広く呼ばれた。 - 油すまし|あぶらすまし
熊本県天草地方に伝わる妖怪。峠道に現れるとされ、初出の『天草島民俗誌』では「油ずまし」と表記される。伝承が少なく、正体のよく分からない妖怪として知られる。 - 油坊|あぶらぼう
滋賀県や京都府に伝わる怪火、または亡霊。油を盗んだ僧が化けたものとされる。 - 油なせ|あぶらなせ
新潟県三条市周辺に伝わる妖怪で、「油を返せ」の意をもつ名。灯油を粗末に扱うと現れるとされ、柳田國男は油坊に関連する話とみている。 - 油返し|あぶらかえし
兵庫県伊丹市周辺に伝わる怪火。中山寺の油を盗んだ者の魂とされ、昆陽池近くの墓から現れて中山へ向かうと語られる。
- 油徳利|あぶらとっくり
灯明などに使う油を購入・保存するための容器。民具として知られ、伝承では油を長年出し続けた不思議な油徳利の話も残る。 - 油赤子|あぶらあかご
鳥山石燕『今昔画図続百鬼』に描かれた妖怪。赤ん坊の姿で行灯の油を舐め取るとされる。 - 沼御前|ぬまごぜん
福島県金山町の沼沢湖の主とされる大蛇。長い髪の美女に化けるとも伝えられ、人を惑わせる存在として恐れられた。 - 浪小僧|なみこぞう
遠州七不思議の一つ。海へ流れ着いた不思議な存在が、波の音で天候の変化を知らせるようになったという伝承で知られる。 - 波山|ばさん
伊予に伝わる怪鳥。別名に「犬鳳凰」があり、江戸時代の奇談集にも見える。 - 泣塔|なきとう
神奈川県鎌倉市にある石塔にまつわる怪談的伝承。風音や移設後のすすり泣く声などから「泣塔」の名が語られている。 - 泥田坊|どろたぼう
鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』にある妖怪。田を奪われた農夫の怨念が田から現れる妖怪として広く知られる。 - 流れ行燈|ながれあんどん
大分県竹田市に伝わる幽霊。精霊流しの頃、川を流れる行灯の中から女性の姿が現れるとされる。 - 浅茅ヶ原の鬼婆|あさぢがはらのおにばば
東京・花川戸に伝わる「一つ家の鬼婆」の伝説。旅人を宿に誘い、正体を現す鬼婆の怪談として知られる。 - 海人|かいじん
中国や日本の文献に見える伝説上の海棲人種、または人間に近い種族。水かきをもち、人のような姿をした存在として記される。 - 海坊主|うみぼうず
海に現れて船を脅かすことで知られる代表的な海の妖怪。坊主頭の巨大な怪物のように語られることが多い。 - 海女|うみおんな
福岡県芦屋町や山口県萩市相島などに伝わる女性の海妖。地域によって、海面を歩く女や白い女の怪異として語られる。 - 海女房|うみにょうぼう
島根県出雲地方に伝わる妖怪。赤ん坊を抱いた姿で語られ、磯女に近い存在とも、水死した女性の化身ともいわれる。 - 海座頭|うみざとう
江戸時代の妖怪絵巻に見える妖怪。海上に立つ座頭姿で描かれるが、詳しい性質は不明で、絵画資料でのみ知られる。 - 海御前|うみごぜん
福岡県宗像市や北九州市門司区に伝わる海の妖怪。河童たちを率いる女親分とされ、平家伝説とも結びついている。 - 海月の火の玉|くらげのひのたま
海辺を飛び回るとされる鬼火の一種。別名「くらげ火」とも呼ばれ、江戸時代の奇談集にも名が見える。 - 海難法師|かいなんほうし
伊豆七島に伝わる幽霊の一種。水難事故で亡くなった者の霊で、たらいに乗って沖から現れるといわれる。 - 海鳴り小坊主|うみなりこぼうず
石川県羽咋市に伝わる妖怪。気多大社裏の森の鳴動を、海に身を投げた僧兵たちの亡霊のしわざとする伝承がある。 - 温羅|うら
岡山県吉備地方に伝わる古代の鬼。吉備津彦命との戦いを語る「温羅伝説」の中心的存在。 - 溝出|みぞいだし
『絵本百物語』に見える死霊譚。溝や水辺から現れる怪異として扱われる。 - 滝霊王|たきれいおう
鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』にある妖怪。滝の中に不動明王のような姿が現れたものとして描かれるが、妖怪というより明王像に近いとする説もある。 - 濡女|ぬれおんな
海や川に現れる妖怪。濡れた髪の女として語られ、地方によっては牛鬼と結びつく危険な水妖とされる。 - 濡女子|ぬれおなご
四国や九州に伝わる妖怪。びしょ濡れの女の姿で現れ、人に笑いかけ、笑い返されると付きまとうとされる。濡女とは別の妖怪として扱われる。 - 瀬坊主|せぼうず
阿武隈川に伝わる妖怪。川の流れの中に人影のように現れ、精霊・亡霊・あるいはカワウソの化けたものともいわれる。 - 瀬戸大将|せとたいしょう
鳥山石燕『百器徒然袋』に描かれた付喪神系の妖怪。瀬戸物の寄せ集めの甲冑をまとった姿で知られる。 - 火の車|ひのくるま
悪事を犯した者の臨終に現れ、地獄へ運ぶとされる炎の車。仏教説話に由来し、「火車」と深く関わる。 - 火前坊|かぜんぼう
鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』にある妖怪。詳細な伝承は乏しいが、石燕の妖怪画として知られる。 - 火取り魔|ひとりま
石川県加賀市周辺に伝わる怪異。火にまつわる不思議な存在として語られる。 - 火消婆|ひけしばば
鳥山石燕『今昔画図続百鬼』にある妖怪。火を消す老婆のような姿で描かれる。 - 火車|かしゃ
葬儀や葬列の場で死体を奪うとされる妖怪。仏教の地獄観と結びつきつつ、妖怪譚として広まった存在。 - 火間虫入道|ひまむしにゅうどう
鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』にある妖怪。石燕の図像で知られ、落書き妖怪との関連も論じられている。 - 灯台鬼|とうだいき
『平家物語』などに見える説話上の存在。頭上に灯火を載せた人間燭台の姿で描かれる。 - 灰坊主|あくぼうず
秋田県や岩手県に伝わる妖怪。囲炉裏の灰をいじると現れるとされ、子どもへの戒めとして語られてきた。 - 烏天狗|からすてんぐ
山伏姿で嘴をもつことで知られる天狗の一種。日本の天狗像を代表する存在として広く伝承される。 - 無垢行騰|むくむかばき
鳥山石燕『百器徒然袋』に描かれた妖怪。行騰という装具が妖怪化したものと解釈される。 - 煙々羅|えんえんら
煙そのもの、あるいは煙に宿る精霊のような妖怪。風呂場やかまどの煙の中に人の顔のように浮かぶと解釈されることが多い。 - 燈無蕎麦|あかりなしそば
本所七不思議の一つ。夜更けに現れるが主人がおらず、行灯にも火がともらない不気味な蕎麦屋台の怪談。 - 片耳豚|かたきらうわ
奄美大島に伝わる豚の妖怪。片耳のない豚の姿で現れ、股の下をくぐられると命を落とすともいわれる。 - 片脚上臈|かたあしじょうろう
愛知県新城市周辺に伝わる片脚の美女妖怪。草履の片方を奪うなどの伝承が残る。 - 片葉の葦|かたはのあし
本所七不思議の一つ。片方にしか葉のない葦にまつわる怪談として知られる。 - 片輪車|かたわぐるま
京都や近江に伝わる怪異。片輪だけの車、あるいは片輪の車に乗った女が夜道に現れる怪談として伝わる。 - 牛打ち坊|うしうちぼう
徳島県北部に伝わる妖怪。牛や馬を殺すとされ、「牛々入道」「牛飼坊」などの別名でも呼ばれる。 - 牛蒡種|ごぼうだね/ごんぼだね
長野・岐阜・福井に伝わる憑き物。狐や犬神のような動物霊ではなく、人の生霊を憑かせるものとされる。 - 牛鬼|うしおに/ぎゅうき
西日本に広く伝わる妖怪。主に海岸に現れて人を襲うとされ、地方ごとに姿や性質が大きく異なる。
- 牛御前|うしごぜん
牛鬼に関する古典的な説話・異称として扱われる名称で、日本の妖怪一覧にも載る語です。 - 物の怪|もののけ
日本の古典や民間信仰で、人に取り憑いて苦しめたり病気にしたりすると考えられた怨霊・死霊・生霊などの総称です。 - 犬神|いぬがみ
西日本を中心に伝わる憑き物・霊的存在で、人に取り憑いて災いをもたらすと信じられてきた妖怪です。 - 狂骨|きょうこつ
鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』に描かれた妖怪で、井戸や水辺にまつわる不気味な怪異として知られます。 - 狐の嫁入り|きつねのよめいり
日本各地に伝わる怪異で、天気雨や夜の行列などを狐の婚礼になぞらえた伝承です。 - 狐憑き|きつねつき
狐の霊が人に憑依すると考えられた現象で、日本の憑き物信仰を代表する語の一つです。 - 狐火|きつねび
日本各地に伝わる怪火で、夜の野や山に狐が灯したように見える火として語られてきました。 - 狐者異|こわい
『絵本百物語』に現れる妖怪で、食べ物への執着を死後まで引きずった者がなるとされた存在です。 - 狒々|ひひ
日本に伝わる妖怪で、巨大な猿のような姿をし、老いた猿が変じるとも考えられてきました。 - 狗賓|ぐひん
日本各地に伝わる妖怪で、天狗の異名・別名として広く用いられてきた名称です。 - 狸囃子|たぬきばやし
日本各地に伝わる音の怪異で、深夜にどこからともなく笛や太鼓の囃子が聞こえるとされた現象です。 - 狸憑き|たぬきつき
狸の霊が人に憑依すると考えられた心霊現象で、四国や佐渡などをはじめ各地に伝承があります。 - 猪口暮露|ちょくぼろん
鳥山石燕『百器徒然袋』に描かれた妖怪で、猪口をかぶった虚無僧のような姿で表現されています。 - 猫又|ねこまた
日本の伝承に見える猫の妖怪で、年老いた飼い猫が化けるものと、山中に棲む獣としての型があります。 - 猫娘|ねこむすめ
猫の特徴をもつ人物・存在の呼称で、古典や後世の作品にも登場する名称です。 - 猫檀家|ねこだんか
寺で飼われた猫が恩返しをして寺を栄えさせるという、日本各地に伝わる昔話・伝説です。 - 猫股の火|ねこまたのひ
越後国に伝わる怪火で、古い怪談集では猫にまつわる怪しい火の話として記されています。 - 猿猴|えんこう
広島県や中国・四国地方に伝わる河童の一種で、毛深く猿のような姿をした水辺の妖怪です。 - 猿神|さるがみ
神の使いとされる猿の化身である一方、中世説話では人身御供を求める妖怪としても語られる存在です。 - 猿鬼|さるおに
能登地方に伝わる妖怪で、角をもつ猿のような鬼として人々に害をなしたと伝えられます。 - 獏|ばく
中国から伝わり日本でも広まった伝説上の生き物で、悪夢を食べる存在として知られます。 - やまこ|やまこ
『和漢三才図会』などで玃猿にあてられた日本的な呼び名で、山奥の怪猿のような存在として扱われます。 - 黒人坊|こくじんぼう
玃猿に類する存在として後世の妖怪本で用いられた名称で、山中の黒く大きな猿のような怪物を指します。 - 玉藻前|たまものまえ
鳥羽上皇の寵姫とされた伝説上の人物で、正体は妖狐であり、のちに殺生石になったと語られます。 - 琴古主|ことふるぬし
鳥山石燕『百器徒然袋』にある琴の妖怪で、古い楽器が変化した付喪神として描かれています。 - 琵琶牧々|びわぼくぼく
鳥山石燕『百器徒然袋』にある琵琶の妖怪で、器物が化けた付喪神の一つです。 - 瓢箪小僧|ひょうたんこぞう
鳥山石燕『百器徒然袋』に描かれた瓢箪の妖怪で、頭部が瓢箪になった小僧のような姿で表されます。 - 瓶長|かめおさ
鳥山石燕『百器徒然袋』にある妖怪で、水瓶が顔を備えたような姿をした創作色の濃い器物妖怪です。 - 甘酒婆|あまざけばば
青森県や宮城県などに伝わる老婆姿の妖怪で、家の戸口に現れて病をもたらすと恐れられました。 - 生団子|なまだんご
埼玉県秩父地方などに伝わる憑き物で、オサキやネブッチョウと並ぶ「秩父の三害」の一つとして知られます。 - 生邪魔|いちじゃま
沖縄県で生霊を指す総称の一つで、恨みや呪詛によって他者に危害を加える霊的作用を意味します。 - 生霊|いきりょう
生きている人の霊魂が身体を離れて動き回るとされた存在で、怨みだけでなく思慕や臨終の気配とも結びつきます。 - あま人|あまびと
青森県西津軽地方で、死の直前の魂が人のもとを訪ねる現象を指した、生霊に関する地方語です。 - オマク|おまく
岩手県遠野地方で、生者や死者の思いが凝って姿を見せる現象を指した語で、生霊・思念の表れとして語られます。 - 産女|うぶめ
難産で死んだ女性の霊が妖怪化したものとされる日本の妖怪で、赤子を抱かせる怪異として知られます。 - 病田|やみだ(やまいだ)
耕すと病気や災いが起こると信じられた田で、日本各地に不吉な田の伝承として残る語です。 - 田の神|たのかみ
稲作の豊凶や豊穣を司ると信じられた農耕神で、日本の民間信仰に広く見られる存在です。 - 飛銚子|とびちょうし
男体山の伝承に見える怪異で、鉄の銚子のようなものが山上から飛来するとされた不思議な現象です。 - 画霊|がれい
文政期の随筆『落栗物語』前編に見える怪異で、人物画に画家の執念が宿るとされたものです。 - 畑怨霊|はたおんりょう
畑にまつわる妖怪名として妖怪事典類に見られる語で、農地に関わる怨霊的な怪異として扱われます。 - 異獣|いじゅう
『北越雪譜』に記された、越後魚沼郡に出現したとされる謎の生物で、「猿に似て猿に非ず」と描写されます。 - バタバタ|ばたばた
広島地方で畳叩きに対して用いられた別名で、夜に畳を叩くような音が響く怪異を指します。 - パタパタ|ぱたぱた
畳叩きの別名として伝わる呼び方で、屋根や庭先から反復する音が聞こえる怪異に由来します。 - 畳叩き|たたみたたき
夜中に畳を叩くような音を立てるとされた怪異で、広島や高知などに伝承があります。 - 疫病神|やくびょうがみ
疫病をもたらすと考えられた悪神で、家に入り込んで病や災いを与える存在として恐れられました。 - 疱瘡婆|ほうそうばばあ
宮城県に伝わる妖怪で、天然痘を流行させ、病死者を食べると噂された老婆の怪です。 - 疱瘡神|ほうそうしん
天然痘を神格化した存在で、恐れられる一方、怒りを鎮め病を軽くするために祀られた民間信仰上の神です。

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