日本の文化には、自然を美しく表現する言葉が数多く存在します。その中でも「雲」に関する表現は特に豊かで、多様な種類や季節の変化に応じて異なる名前が付けられています。本記事では、日本の美しい言葉を使った雲の表現一覧をご紹介します。自然の風景をより深く理解し、日本語の美しさを再発見しましょう。
雲の表現一覧
出典・参考:Wikipedia・Weblio・コトバンク・goo辞書
- 青雲【せいうん/あおくも】 青みを帯びた灰色の雲。
- 茜雲【あかねぐも】 朝日や夕日を浴びて茜色に照り映える雲。
- 穴空き雲【あなあきぐも】 薄く広がる雲に円形の隙間が空いたもの。
- 天雲【あまぐも/あまくも】 空の雲。
- 雨雲【あまぐも】 雨や雪を降らせる雲。乱層雲のことも指す。
- 暗雲【あんうん】 真っ黒な雲。危機を予感させる雲。
- 鼬雲【いたちぐも】 積乱雲のこと。
- 鰯雲【いわしぐも】 白い小さな雲が群がって広がる雲。巻積雲の一種。
- 陰雲【いんうん】 空を覆う暗い雲。雨雲。
- 浮雲【うきぐも】 空中に浮かんで漂う雲。
- 薄雲【うすぐも】 薄く広がっている雲。巻層雲の俗称。
- 畝雲【うねぐも】 層積雲のこと。田畑の畝のように連なる雲。
- 鱗雲【うろこぐも】 空高くうろこ状に広がる白色の雲。巻積雲の一種。
- 雲海【うんかい】 高山や飛行機から見た、広がって海のように見える雲。
- 雲気【うんき】 雲の動き。
- 雲形【うんけい】 雲の形。
- 雲霓【うんげい】 雲と虹。
- 雲高【うんこう】 地上から雲底までの高さ。
- 雲際【うんさい】 雲の果て。
- 雲散【うんさん】 風に雲が散るように消えること。
- 雲上【うんじょう】 雲の上。高貴な所。
- 雲泥【うんでい】 天の雲と地の泥。大きな差のたとえ。
- 雲表【うんぴょう】 雲の上。雲の外。
- 雲霧【うんむ】 雲と霧。
- 雲霧林【うんむりん】 熱帯地方の山地で霧が多い森林。
- 雲竜【うんりゅう】 雲の中の竜。または、竜が雲に乗って昇天するさま。
- 煙雲【えんうん】 煙と雲。
- 桜雲【おううん】 桜の花が一面に咲いて白雲のように見えること。
- 朧雲【おぼろぐも】 空一面に広がる高層雲。
- 火災雲【かさいぐも】 火災積雲や火災積乱雲のこと。
- 笠雲【かさぐも】 高い山の頂に笠をかぶったようにかかる雲。
- 傘鉾雲【かさぼこぐも】 南の空に現れる、傘を開いたような形の雲。風の前兆。
- 風雲【ふううん/かざぐも】 強風が吹く前兆の雲。
- 下層雲【かそううん】 高さ2キロ以下の大気の下層部に現れる雲。層積雲や層雲。
- 形見の雲【かたみのくも】 火葬の煙。
- 鉄床雲【かなとこぐも】 雲頂が水平に広がり鉄床の形をした積乱雲。
- 雷雲【らいうん/かみなりぐも】 雷を伴う雲。
- 寒雲【かんうん】 冬の寒々とした雲。
- 閑雲【かんうん】 ゆったりと空に浮かぶ雲。
- 霧雲【きりぐも】 霧のように漂う雲。層雲の俗称。
- 觔斗雲【きんとうん】 孫悟空が乗る不思議な雲。
- 暁雲【ぎょううん】 明け方の雲。
- 雲間【くもあい/くもま】 雲のようす。空模様。
- 雲脚【くもあし】 雲の流れ動くさま。
- 雲居【くもい】 雲のある場所。雲のたなびいている所。
- 雲隠れ【くもがくれ】 雲の中に隠れること。高貴な人が死ぬこと。
- 雲形【くもがた】 たなびいた雲の形。
- 雲切れ【くもきれ】 雲の晴れ間。
- 雲路【くもじ】 雲の中の道。
- 雲透き【くもすき】 薄明かりの中で物を見ること。
- 雲鳥【くもとり】 雲と鳥。または、雲の中を飛ぶ鳥。
- 雲の上【くものうえ】 雲のある高い空。天上。宮中。
- 雲の梯【くものかけはし】 雲がたなびくさまを梯に見立てたもの。深い谷間に架けられた橋。
- 雲の通い路【くものかよいじ】 雲の行き通う道。
- 雲の衣【くものころも】 雲を天人の衣服に見立てたもの。
- 雲の波【くものなみ】 重なっている雲を波にたとえた表現。
- 雲の果たて【くものはたて】 雲の果て。空の果て。
- 雲の林【くものはやし】 群がっている雲を林に見立てた表現。
- 雲の峰【くものみね】 夏、山の峰のようにそそり立つ雲。入道雲。
- 雲間【くもま】 雲の切れているところ。雲の晴れ間。
- 雲水【くもみず】 雲と水。または、行く先が定まらないこと。
- 雲行き【くもゆき】 雲が動くようす。物事の成り行き。
- 黒雲【くろくも/こくうん】 黒い雲。不吉なもの。
- 慶雲【けいうん】 めでたいことの前兆とされる雲。瑞雲。
- 行雲【こううん】 空を流れる雲。
- 香雲【こううん】 香の煙が立ちのぼって雲のように見えるもの。
- 黄雲【こううん】 黄色い雲。稲が実るさまを雲にたとえた表現。
- 行雲流水【こううんりゅうすい】 空を行く雲と流れる水。物事に執着せず自然の成り行きに任せること。
- 高層雲【こうそううん】 高度2キロ以上に現れる灰色がかった厚い雲。略号はAs。朧雲。
- 孤雲【こうん】 他に離れて空に浮かぶひとひらの雲。片雲。
- 五雲【ごうん】 仙人や天女が遊ぶ所にかかる五色の雲。
- 五障の雲【ごしょうのくも】 五障を月の光を覆う雲にたとえた表現。
- 彩雲【さいうん】 雲の縁が美しく彩られる現象。高積雲にみられる。
- 鯖雲【さばぐも】 巻積雲のこと。鯖の背紋に似ているのでそう呼ばれる。
- 五月雨雲【さみだれぐも】 梅雨のころの雲。
- 桟雲【さんうん】峰から峰へかかる雲。雲の中を行くような高い山道。
- 紫雲【しうん】 紫色の雲。吉兆とされる雲。
- 下雲【したぐも】 山の低い所にかかる雲。
- 東雲【しののめ】 夜が明けようとして東の空が明るくなってきたころ。
- 愁雲【しゅううん】 うれいを感じさせる雲。心の悩みを象徴する雲。
- 秋雲【しゅううん】 秋の晴れた空に漂う雲。
- 春雲【しゅんうん】 春の雲。
- 祥雲【しょううん】 めでたい雲。瑞雲。
- 曙雲【しょうん】 あけぼのの雲。
- 白雲【しらくも/はくうん】 白く見える雲。
- 十種雲形【じっしゅうんけい】 雲級のこと。
- 陣雲【じんうん】 戦場の空に広がる雲。
- 水雲【すいうん】 水と雲。
- 杉原雲【すぎはらぐも】 雲形の模様のある杉原紙。
- 筋雲【すじぐも】 巻雲の俗称。
- 筋状雲【すじじょううん】 対流雲の列が平行に並んだもの。
- 瑞雲【ずいうん】 めでたいことの前兆として現れる雲。
- 積雲【せきうん】 上面が盛り上がり、雲底は水平の雲。
- 積雲対流【せきうんたいりゅう】 積雲や積乱雲の発生に伴う対流。
- 積乱雲【せきらんうん】 垂直に発達し、大きな塔のように見える雲。雷雨を伴うことが多い。
- 叢雲【そううん】 むらがり立つ雲。
- 層雲【そううん】 地表付近にたなびく灰色の層状の雲。
- 層状雲【そうじょううん】 広い範囲で形成される雲。
- 対流雲【たいりゅううん】 強い上昇流によって狭い範囲で形成される雲。
- 棚雲【たなぐも】 横に長くたなびく雲。
- 淡雲【たんうん】 うすくたなびく雲。
- 断雲【だんうん】 きれぎれの雲。
- 千切れ雲【ちぎれぐも】 細かくちぎれた雲。
- 鳥雲【ちょううん】 小鳥が群がり飛ぶさま。
- 蝶蝶雲【ちょうちょうぐも】 層雲が乱れて蝶形になった雲。雨の前兆。
- 積み雲【つみぐも】 積雲の俗称。
- 凍雲【とううん】 雪が降りそうな雲。寒々とした冬空。
- 塔状雲【とうじょううん】 雲の上部が塔のように発達した雲。
- 豊旗雲【とよはたぐも】 旗のように空にかかる美しい雲。
- 夏雲【なつぐも】 夏空に現れる雲。入道雲や雷雲など。
- 波雲の【なみくもの】 波形の雲。
- 布雲【にのぐも】 布のように横になびいている雲。
- 入道雲【にゅうどうぐも】 積乱雲や雄大な積雲の俗称。
- 人参状雲【にんじんじょうぐも】 気象衛星の画像でにんじん状に見える雲。
- 波状雲【はじょううん】 雲の帯が波のように並んだ雲。
- 旗雲【はたぐも】 旗のようになびく雲。
- 花の雲【はなのくも】 桜の花が満開のさまを雲に見立てた表現。
- 飛雲【ひうん】 風に吹かれて飛んでいく雲。
- 羊雲【ひつじぐも】 高積雲の俗称。
- 日照り雲【ひでりぐも】 夕焼けのように紅色に染まった巴形の雲。
- 風雲【ふううん】 風と雲。事の起こりそうな情勢。
- 風雲児【ふううんじ】 社会の変動に乗じて活躍する人物。
- 風雲の志【ふううんのこころざし】 立身出世しようとする志。
- 風雲の情【ふううんのじょう】 大自然をさすらいたい気持ち。
- 浮雲【ふうん】 定まらないこと。頼りないことのたとえ。
- 不定の雲【ふじょうのくも】 迷いを月を覆う雲にたとえた表現。
- 碧雲【へきうん】 青みがかった雲。
- 片雲【へんうん】 一片のちぎれ雲。
- 暮雲【ぼうん】 夕暮れの雲。
- 巻雲【まきぐも/けんうん】 上空にたなびく細い雲。
- 斑雲【まだらぐも】 巻積雲や高積雲の俗称。
- 密雲【みつうん】 厚く重なった雲。
- 迎えの雲【むかえのくも】 臨終の際、阿弥陀如来が乗ってくる紫の雲。
- 叢雲【むらくも】 むらがり立つ雲。
- 紫の雲【むらさきのくも】 1. 紫色の雲。吉兆の雲。2. 皇后の異称。
- 八重雲【やえぐも】 幾重にも重なる雲。
- 八重旗雲【やえはたぐも】 幾重にも旗のようになびく雲。
- 八雲【やくも】 いく重にも重なる雲。和歌の象徴。
- 山雲【やまぐも】 山にかかる雲。山からわき起こる雲。
- 闇雲【やみくも】 先の見通しもなくむやみに事をすること。
- 夕雲【ゆうぐも】 夕方の雲。
- 夕立雲【ゆうだちぐも】 夕立の際に出る雲。積乱雲。
- 夕焼け雲【ゆうやけぐも】 夕焼けに赤く染まった雲。
- 雪雲【ゆきぐも】 雪を降らせる雲。乱層雲のこと。
- 妖雲【よううん】 不吉の前兆を示すあやしい雲。
- 横雲【よこぐも】 横に長くたなびく雲。
- 雷雲【らいうん】 かみなりや雷雨をもたらす雲。積乱雲のこと。
- 乱雲【らんうん】 乱れ飛ぶ雲。
- 乱層雲【らんそううん】 暗灰色で厚く、空全体を覆う雲。略号はNs。
- 凌雲【りょううん】 雲をしのぐほど高いこと。俗世を超越すること。
- 鱗雲【りんうん】 巻積雲のこと。
- 霊雲【れいうん】 尊く不思議な雲。瑞雲。
- 綿雲【わたぐも】 綿をちぎったような白い雲。積雲のこと。
- アーチ雲【あーちぐも】 アーチ状またはロール状の雲。大気の不安定によって生じる。
- レンズ雲【れんずぐも】 凸レンズを横から見たような形の雲。
- 凍て雲【いてぐも】 冬の雲。
- 浮雲【ふうん】 不安定きわまるもののたとえ。
- 瑞雲【ずいうん】 紫色や五色のめでたい雲。
- 碧雲【へきうん】 青みを帯びた雲。
- 飛行機雲【ひこうきぐも】 飛行機が高空を飛んだあとにできる白い雲。
雲の名前と種類
日本語には、多くの雲の名前があります。例えば、「青雲」「茜雲」「穴空き雲」など、それぞれの雲には独特の特徴や見た目が反映されています。これらの表現を知ることで、空を見上げた時の感動がより深まります。
季節ごとの雲の表現
日本の四季はそれぞれ異なる風景を見せてくれますが、雲もまた季節ごとに変化します。「春雲」「夏雲」「秋雲」「冬雲」など、季節ごとの雲の表現を学ぶことで、自然の移ろいをより感じることができます。
日本文化における雲の象徴
雲は日本文化において、さまざまな象徴として扱われています。例えば、「瑞雲」はめでたいことの前兆とされ、「紫雲」は吉兆の雲とされています。これらの表現は、詩や文学にも頻繁に登場し、人々の心に深い印象を与えます。
日本の言葉には、自然を愛でる心が込められています。雲の表現もその一つです。この記事を通じて、日本語の美しさと自然の魅力を再確認し、日々の生活に取り入れてみてください。次に空を見上げる時、そこには新たな発見があるかもしれません。
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