日本の神話は、豊かな自然と人々の生活を反映した多種多様な神々を生み出してきました。その中には、恵みをもたらす神々だけでなく、恐怖や尊敬の対象となる「悪神」たちも存在します。これらの神々は、しばしば誤解されがちですが、彼らは実際にはバランスを保つための重要な役割を果たしていることもあるようです。
ここでは、八十禍津日神、疫病神、菅原道真の怨霊など、日本の神々の中から悪神・邪神・禍神(まがかみ)、荒神、神格級の怨霊を一覧で紹介していきます。
日本の悪い神一覧
参考・出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
悪神・邪神・禍神
- 伊邪那美命
【いざなみのみこと】
日本神話の創造神のひとりで、本来は「国産み・神産み」を担う女神。火の神を産んだ際に大火傷を負って死に、黄泉国へと堕ちた後は「黄泉津大神」として死の穢れと冥界の力を司る存在となる。夫・伊邪那岐が迎えに来た際、腐敗した姿を見られ激怒し、黄泉の軍勢を差し向けた逸話は、死と再生・穢れの概念を象徴している。 出典: ウィキペディア - 八十禍津日神
【やそまがつひのかみ】
「八十=多くの」「禍=災い」を意味し、黄泉の国から伊邪那岐が戻った際についた穢れから生まれた悪神。災厄・不幸・混乱をもたらす力の象徴であり、人々に降りかかるさまざまな不運や疫病の源と考えられた。一方で、この禍を祓うために生まれた「神直日神」「大直日神」と対になり、浄化の神々との構造が神話世界の「穢れと祓い」を示している。 出典: ウィキペディア - 八岐大蛇
【やまたのおろち】
八つの頭と八つの尾を持つ巨大蛇で、川を飲み干すほどの力を持つ山・水の怪物。須佐之男命が退治した伝説が有名だが、本来は土地の水神・山神としての側面も持ち、地域によっては守り神として祀られることもある。暴れ狂う龍蛇の姿は、洪水や自然災害への畏怖を象徴する。 出典: ウィキペディア - 天津甕星
【あまつみかぼし】
星を神格化した日本神話屈指の“反逆の神”。国譲りに応じなかった唯一の天つ神で、高天原に逆らう悪神として記述される。「天香香背男(あめのかがせお)」とも呼ばれ、夜空に輝く凶星(不吉な星)の象徴とされた。戦乱や不安の前兆として恐れられ、古代日本における星信仰と呪術の複合を示す存在である。 出典: ウィキペディア - 悪樓
【あくる】
吉備国(現在の岡山県)に現れた巨大魚の怪物で、船を丸呑みするほどの大きさを持つ海の悪神。日本武尊が熊襲討伐の帰りに遭遇し、荒れ狂う海の上で背にまたがり討ち取ったという武勇譚が伝わる。海難・船の遭難を象徴する存在として恐れられた。 出典: ウィキペディア - 悪鬼
【あっき】
災厄・争い・病気など、あらゆる悪事をもたらすとされた鬼の総称。「邪鬼(じゃき)」や「悪魔」とも呼ばれ、仏教伝来後は煩悩や執着の象徴としても扱われる。古くは疫病や戦乱の原因を悪鬼の仕業とする思想があり、追儺(鬼払い)行事などの民間信仰にも影響を与えた。 出典: ウィキペディア - 死神
【しにがみ】
人間を死へと誘う存在として、民間伝承や仏教説話の中で語られる神霊。ヨーロッパの死神のような擬人化された姿は後世に広まったが、日本では「死の気配」「死の縁」を表す不可視の存在として語られた。死期を知らせる、寿命を奪うなどの役割が付与されることが多い。 出典: ウィキペディア - 疫病神・厄病神
【やくびょうがみ】
疫病や不幸をもたらす神霊で、「疫神」「厄神」「行疫神」などとも呼ばれる。古代から伝染病は“目に見えない悪い神”の仕業と考えられ、神社での祓えや御霊信仰と深く関係している。一方で、正しく祀れば疫病を遠ざける守護神となる二面性も持っている。 出典: ウィキペディア - 疱瘡神
【ほうそうがみ、ほうそうしん】
疱瘡(天然痘)を人格化した神で、古代から近世にかけて最も恐れられた疫病神の一種。疱瘡の流行は怨霊の祟りと結びつけられ、赤色の絵馬や人形を奉納して鎮める風習が広まった。疫病の流行と信仰の関係を象徴する存在である。 出典: ウィキペディア - 禍津日神
【まがつひのかみ】
黄泉帰りの穢れから生まれた災厄の神で、「八十禍津日神」と対を成す存在として語られることが多い。人々に不幸・事故・病気をもたらす禍の象徴とされ、一方で祓いの儀式によって鎮められる対象でもある。神話における“禍”と“直し(祓い)”の原理を示す重要な神格。 出典: ウィキペディア - 辻神
【つじがみ】
辻(道の交差点)に出没するとされた魔物・霊の総称。古来より辻は“境界(カッティング・ポイント)”とされ、現世と異界が交わる不安定な場所と考えられた。そのため怪異や霊が出る場所とされ、旅の安全を祈る辻祠(つじほこら)などの信仰につながった。 出典: ウィキペディア - 金神
【こんじん】
陰陽道における強力な方位神で、その在する方角においては土木工事・修理・旅行などが厳しく禁じられた。「この方位を犯すと家族七人に死が及ぶ」とまで恐れられ、最凶の禁忌とされた神。金神の方位を避ける“金神封じ”は、陰陽道の風習の中でも特に強い影響力を持った。 出典: ウィキペディア - 黄泉醜女
【よもつしこめ】
黄泉国に棲む醜悪な鬼女で、伊邪那美に命じられ逃げる伊邪那岐を追った存在。腐敗し異形となった姿は、死の穢れや恐怖を象徴している。日本神話の中で“死者の国”がいかに恐れられていたかを示す重要なキャラクターである。 出典: ウィキペディア
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