3. 山・岩・大地・火山の女神一覧
山や岩、大地の力にゆかりのある女神をまとめ、自然への畏敬や恵みがどのように名前へ表れているかを紹介します。安定・長寿・火山など、多様な象徴が一望できるます。
- 石長比売(いわながひめ)
岩のように変わらぬ永遠性を象徴する女神で、長寿や不変の力を司ります。木花之佐久夜毘売の姉としても知られます。 - 埴山姫神(はにやまひめ)
大地の粘土「埴(はに)」を司る女神で、土器づくりや土地の安定と深く関わります。豊かな大地の恵みと創造の基盤を象徴します。 - 木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)
桜の花を象徴する美しい女神で、富士山の神としても信仰されます。生命の儚さと繁栄の両面を司る華やかな存在です。 - 浅間大神(あさま)
浅間山(火山)の神として祀られ、火山活動や山の霊力を司ります。噴火を鎮める神として広く崇敬されています。 - 白山比咩神(しらやまひめ)
霊峰・白山の主祭神で、雪解け水の恵みや山の浄化力を象徴する女神。全国の白山社の中心として厚い信仰を集めます。 - 石巣比売神(いわすびめ)
石と砂を司るとされ、岩盤と土台を象徴する男神である「石土毘古神(いわつちびこのかみ)」と対になって、家屋の土台を支える役割を担っています。 - 磐筒女神(いわつつのめ)
岩の柱に宿る神霊を象徴する女神で、山の堅牢さや基盤を司ります。岩そのものに宿る神威を表す存在とされます。 - 磐長媛命(いわながひめ)
岩のような永遠の命を授ける女神で、長寿や不老不変を象徴します。同名の「石長比売」と同神とされる場合がありますが、伝承により区別されることもあります。 - 金山姫神(かなやまひめ)
金属や鉱山を司る女神で、採掘・鍛冶の守護神として祀られます。大地の奥深くに眠る金属資源を象徴する存在です。
4. 農耕・穀物・食物を司る女神の種類
稲や穀物、食物に関わる女神を取り上げ、豊かさや実りを表す名前の由来を整理しています。暮らしを支えてきた存在に触れることで、日本の信仰と食文化のつながりが見えてきます。
- 奥津比売命(おきつひめ)
竈(かまど)の神である奥津彦命の女神面にあたり、家庭の食と火を守る存在。家内安全や料理の恵みを象徴し、台所の守護神として信仰されます。 - 宇迦之御魂神(うかのみたま)
稲や穀物を司る代表的な食物神で、稲荷神として全国に広く信仰されます。豊穣・商売繁盛・衣食住の安定をもたらす女神として知られます。 - 稚産霊神(わくむすび)
「若く産まれ育つ生命力」を象徴する穀霊の神で、新しい実りや成長を司ります。農作物の発芽と育成を守る豊穣神です。 - 豊受大神(とようけ)
食物・農耕・衣食住を支える大いなる女神で、伊勢神宮外宮の主祭神。稲や食材の恵みを担い、国家の台所を守る存在として尊ばれています。 - 若宇加能売命(わかうかのめ)
「若い穀霊」を意味する名前を持つ女神で、稲や穀物の若々しい実りを象徴します。生命力の強い豊穣の象徴とされます。 - 大宜都比売命(おおげつひめ)
身体から食物を生み出したとされる神話を持つ、食物の根源を司る女神。五穀豊穣の源泉を象徴し、日本の食文化の基盤を担う存在です。 - 神大市姫命(かむおおいちひめ)
市場を司る女神で、農産物や物資の流通を支える存在。豊穣が正しく行き渡る「市(いち)」の守護神としても信仰されています。 - 三穂津姫(みほつひめ)
「三穂」は稲の実りを象徴し、稲作の恵みをもたらす女神。古来より農耕と深く結びつき、五穀の豊穣を支える存在です。 - 保食神(うけもち)
食物そのものの霊を象徴し、穀物や食材の生成に関わる女神。日本書紀では「食物の神」として描かれ、生命維持の根源を司ります。 - 大気都比売神(おおげつひめ)
大宜都比売命と同系の食物神で、食の供給や豊穣を司る女神。恵みを生み出す「大きな食物の霊力」を象徴します。 - 豊宇気毘売神(とようけびめ)
豊受大神と同一視されることもある食物神で、食の豊かさを広く司る存在。農耕・食料供給・生活の安定を象徴します。 - 乙子狭姫(おとごさひめ)
島根県・石見地方に伝わる女神で、母は『古事記』に登場するオオゲツヒメ。 五穀の種を人々へ届けた“種の女神”として知られる。
5. 草木・季節・自然景観の女神一覧
草木や花、四季の移ろいと結びつく女神を紹介し、名前から浮かぶ自然の情景をまとめています。四季の表現や季節感を大切にしたい人に役立つ視点がそろった一覧です。
- 佐保姫(さほひめ)
春の到来を象徴する女神で、芽吹きや花の季節を告げる存在。万葉の時代から「春の擬人化」として親しまれています。 - 木花知流比売(このはなちるひめ)
花が散りゆく姿を象徴する女神で、木花之佐久夜毘売の姉妹的な存在として語られることもあります。儚さと美しさを併せ持つ季節の象徴です。 - 竜田姫(たつたひめ)
秋の紅葉を司る女神として有名で、赤く染まる木々や秋風の景色を象徴します。竜田川の紅葉伝説とも深く結びつく存在です。 - 苔牟須売神(こけむすめ)
石長比売(イワナガヒメ)や磐長姫(イワナガヒメ)の別名。岩石や永続性を司る神とされています。 - 石巫比売(いしみこひめ)
石長比売(イワナガヒメ)や磐長姫(イワナガヒメ)の別名。日本神話に登場する「石(いし)」と「巫(みこ)」という語を名前に持つ女神で、 巫女的な霊性と岩・石に宿る力を象徴する存在と解釈される神です。 - 葦那陀迦神(あしなだか)
葦(あし)に宿る自然霊を象徴する神で、湿地帯や水辺の植物の守護者とされます。土地に根付く植物の生命力を表します。 - 鹿屋野比売神(かやのひめ)
草野・野原の神格で、野に広がる草木の繁りを象徴する女神。自然界の伸びやかな生命力を司ります。 - 都麻津比賣神(つまつひめ)
「ツマ」は麻・植物に由来するとされ、繊維植物や草木の守護神と考えられる存在。植物文化や自然素材と関わりの深い女神です。

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