第6位:モリガン(Morrigan)——戦場に死を告げる“カラスの女王”
ケルト戦場の霧の中、
黒い羽音がひとつ響いたとき——
兵士たちは己の死を悟ったという。
それが、モリガンの予兆。
彼女は戦と死と運命を司り、
戦場に姿を現した瞬間、
そこに立つ誰かの“最期”が決定する。
カラスに変身し、空から戦況を見つめ、
時に戦士の前に現れて心を折り、
時に血に濡れた姿で勝敗を左右する。
戦場という“人間の運命の十字路”で、
モリガンはいつも冷ややかに微笑んでいる。
邪悪ポイント:運命操作・死の宣告・戦場の混沌を操る力
第5位:ルーヒ(Louhi / Loviatar)——病と呪いを生む北方の魔女王
氷の吹き荒れる北方の大地、ポホヨラ。
その頂に立つ魔女王こそが、ルーヒである。
彼女は北欧・フィンランドの伝承で、
病を象徴する“九つの災厄の母”として語られる。
風が吹けば病が広がり、
彼女が怒れば大地は災厄に沈む。
魔術に長け、
英雄を苦しめる呪いを仕掛け、
国ごと滅ぼすほどの力を秘めている。
“病”という形なき恐怖を操るのは、
どんな武器よりも残酷なのかもしれない。
邪悪ポイント:病の創造・呪術・災害の発生
第4位:アナト(Anat)——血の海で歓喜する残虐の戦女神
古代カナンの大地を赤く染めた女神——それがアナトである。
彼女は戦場に降り立つと、敵の軍勢を一瞬で切り伏せ、
その死体を山のように積み上げたという。
そして、血の川を浴びながら歓喜の舞を踊る。
この描写は誇張ではなく、
ウガリット文書に残された、れっきとした神話の一節だ。
アナトはただ戦争を司るだけではない。
殺戮そのものを悦びとして味わう。
その残虐性は神々の中でも際立っており、
恐れられるだけでなく、時に“制御不能な破壊兵器”として扱われた。
戦いが終わるとき、
そこに生き残る者はほとんどいない。
邪悪ポイント:虐殺・狂気・戦場での破壊的多幸感

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