3. 猫系の生き物
A. 一般的な猫型の伝説生物
- Carbuncle (Chilote) (カーバンクル)
- 伝承・国名: チローテ諸島(南米・チリなど)伝承
- 概要: 輝くあごを持つ猫の姿として描かれることがあり、神秘的な光を放つ存在とされる。
- Demon Cat (デーモン・キャット)
- 伝承・国名: 北米伝承
- 概要: ワシントンD.C.の政府建物などに出没すると伝えられる幽霊猫。恐怖や不吉な出来事と結び付けられる。
B. 日本の猫妖怪(怪異)
- Kaibyō (怪猫) (カイビョウ)
- 伝承・国名: 日本伝承
- 概要: 猫の妖怪全般を指す呼称。以下に代表的なものを挙げる:
- Bakeneko (化け猫) (バケネコ)
- 伝承・国名: 日本
- 概要: 尾が二本あるとされ、変身や呪いの力を持つと信じられる猫妖怪。家庭に災いをもたらすことも。
- Kasha (火車) (カシャ)
- 伝承・国名: 日本
- 概要: 墓地や火葬場に現れ、死体を運び去ると伝えられる猫型の妖怪。恐れられる存在として描かれる。
- Nekomata (猫又) (ネコマタ)
- 伝承・国名: 日本
- 概要: 山間部や村に現れるとされる猫妖怪。人間に化けたり呪術を使うなど、さまざまな伝説がある。
C. その他の猫型伝説生物
- Wampus Cat (ワンプス・キャット)
- 伝承・国名: 北米伝承(主に南部アパラチア地方の先住民伝承など)
- 概要: 六本の足や長い尾を持つとされ、かつては人間であったが呪いにより怪物に変えられたという伝説もある。
- White Tiger (ホワイト・タイガー)
- 伝承・国名: 中国伝承
- 概要: 西方の守護獣として、純粋さや神聖さを象徴する存在。風水や神話の中で特別な役割を担う。
4. ライオン・その他の獣系の生き物
A. ライオン神・守護獣
- Arimanius (アリマニウス)
- 伝承・国名: 古代ギリシア伝承
- 概要: ライオンの頭を持つ神格化された存在。神話の中で威厳と力の象徴とされる。
- Ammit (アミット)
- 伝承・国名: 古代エジプト伝承
- 概要: ライオン、カバ、ワニの特徴を併せ持つ女神。死者の魂を裁く存在として恐れられた。
- Barong (バロン)
- 伝承・国名: バリ島(インドネシア)伝承
- 概要: 善良な霊獣として崇拝される。ライオンに似た姿で、悪霊と戦い守護の役割を果たす。
- Beast of the First Kingdom (ビースト・オブ・ザ・ファースト・キングダム)
- 伝承・国名: キリスト教伝承
- 概要: ライオンと鷲の翼を持つ怪物。終末論的な象徴として描かれることが多い。
- Brunswick Lion (ブルンゼウス・ライオン)
- 伝承・国名: ドイツ伝承
- 概要: 勇猛なライオンの彫刻や伝説から派生。歴史的英雄譚と結び付けられる。
- Chinese Guardian Lions (チャイニーズ・ガーディアン・ライオンズ)
- 伝承・国名: 中国伝承
- 概要: 建物や寺院の守護像として、石像や彫刻に見られる。
- ※以下の名称も同様の伝承があり、地域により異なる呼び方が存在する:
- Komainu (コマイヌ)
- Shisa (シーサ)
- Sin-you (シンユウ)
- Xiezhi (シエズ)
B. その他のライオン・獣神・ハイブリッド生物
- Dawon (ダウォン)
- 伝承・国名: チベット伝承
- 概要: 女神ドゥルガーと関連づけられる、ライオン形の霊獣。山岳信仰における守護の象徴。
- Egyptian Lion Gods (エジプト・ライオン神たち)
- 伝承・国名: 古代エジプト伝承
- 概要: 戦争や守護の神々として、数多くのライオンモチーフの神々が崇拝された。例として、Aker、Ȧmi-Pe、Apedemak、Bast、Ḥuntheth、Ipy、Maahes、Matit、Mehit、Sekhmet、Seret、Taweret、Tutu、Urit-en-kru などがある。
- Lampago (ランパゴ)
- 伝承・国名: ヨーロッパ伝承
- 概要: 人と獣の中間的存在。ライオンや虎の特徴を持つハイブリッドな獣として語られる。
- Leo (レオ)
- 伝承・国名: 古代ギリシア伝承
- 概要: ライオン型の怪物。以下の伝説的ライオンが含まれる:
- Lion of Cithaeron (シタエロンのライオン)
- ギリシア神話で英雄たちが討伐対象とした怪物。
- Nemean Lion (ネメアのライオン)
- ヘラクレスの十二の功業のひとつで、皮膚が無敵とされた伝説の獣。
- Lion of Al-lāt (ライオン・オブ・アル・ラート)
- 伝承・国名: イスラム以前のアラビア伝承
- 概要: アラビアの女神アル・ラートの象徴として描かれるライオン。
- Manussiha (マヌシハ)
- 伝承・国名: ビルマ(現ミャンマー)伝承
- 概要: 人間とライオンの融合した存在。寺院彫刻や伝説に登場する神秘的な生き物。
- Merlion (マーレオン)
- 伝承・国名: シンガポール伝承
- 概要: 魚の体にライオンの頭を持つ、シンガポールの象徴的な生き物。観光シンボルとしても有名。
- Nian (ニアン)
- 伝承・国名: 中国伝承
- 概要: 正月の厄払いの伝承に登場する怪物。平たい顔立ちのライオンのような姿で、火や爆竹で追い払われる。
- Nongshāba (ノンシャーバ)
- 伝承・国名: サナマイスム(特にミャンマーなど)伝承
- 概要: 地域ごとに異なる獣神。詳細な伝承は伝わる地域によって変動する。
- Pixiu (ピシウ)
- 伝承・国名: 中国伝承
- 概要: 富と繁栄をもたらす守護獣。風水においても重要視される。
- Questing Beast (クエスティング・ビースト)
- 伝承・国名: アーサー王伝説(イギリス伝承)
- 概要: 蛇の首、豹の体、ライオンの尻尾、鹿の足を持つ異形の生物。永遠に追い求められる幻の獣。
- Serpopard (セルポパード)
- 伝承・国名: エジプト伝承
- 概要: ライオンとヒョウの特徴に蛇の首を持つ、謎多き生物。
- Sharabha (シャラバー)
- 伝承・国名: ヒンドゥー教伝承
- 概要: ライオンと鳥の要素を持つ怪物。神々との戦いに関与する伝説がある。
- Simhamukha (シンハムカ)
- 伝承・国名: チベット伝承
- 概要: 雪獅子の姿を象徴する智慧と力の守護獣。仏教の神獣としても知られる。
- Snow Lion (スノーライオン)
- 伝承・国名: チベット伝承
- 概要: 雪原に生きる伝説の獅子。平和と権力の象徴として崇められる。
- Sphinx (スフィンクス)
- 伝承・国名: エジプト・ギリシア伝承
- 概要: ライオンの体に人間(または動物)の頭を持つ謎多き存在。
- ※【サブ項目】
- Criosphinx (クリオスフィンクス): 羊頭のスフィンクス(エジプト伝承)
- Gopaitioshah (ゴパイティオシャ): 翼を持つ獅子または牛のような姿(ペルシャ伝承)
- Hieracosphinx (ヒエラコスフィンクス): 鷹の頭とライオンの体を持つ(エジプト伝承)
- Stratford Lyon (ストラットフォード・ライオン)
- 伝承・国名: イギリス伝承
- 概要: 地域伝説に登場するライオン。歴史的出来事と結び付けられる場合がある。
- Tigris (ティグリス)
- 伝承・国名: 中東伝承
- 概要: 森の中に住む巨大なライオン。自然界の神秘と畏怖を象徴する存在。
- Vaikuntha Chaturmurti (ヴァイクンタ・チャトゥルムルティ)
- 伝承・国名: ヒンドゥー教伝承
- 概要: 四つの顔を持つヴィシュヌ神の一面として表現され、ライオン的な力や威厳を象徴する。
- Winged Lion (ウィングド・ライオン)
- 伝承・国名: ヨーロッパ(特にベネチアなど)伝承
- 概要: 翼を持つライオン。紋章や建築装飾として、威厳や権威の象徴とされる。
- Yali (ヤリ)
- 伝承・国名: インド伝承
- 概要: ライオンの頭と、象や馬の要素を併せ持つ神獣。寺院の彫刻や建造物で頻繁に見られる。
- Yaghūth (ヤグース)
- 伝承・国名: 古代中東伝承(詳細は伝承により異なる)
- 概要: 神話の中で語られる獣の一種。各地の伝説で異なる特徴が伝えられる。
- Yaldabaoth (ヤルダバオス)
- 伝承・国名: グノーシス主義
- 概要: ライオンの頭を持つとされる蛇神。創造神話の中で否定的な役割を果たす。
- Kishi (キシ)
- 伝承・国名: アフリカ伝承
- 概要: 二つの顔(魅力的な顔と獰猛な顔)を持つ、半分人間半分ライオンの怪物。欺瞞と危険の象徴とされる。
5. 猿・大型霊長類系の生き物
- Agropelter (アグロペルター)
- 伝承・国名: アメリカ合衆国・カナダ伝承
- 概要: 通行人に向かって枝や小枝を投げつけるとされる、いたずら好きな獣。人々の注意を引く奇妙な行動が伝えられる。
- Bigfoot / Sasquatch (ビッグフット/サスクワッチ)
- 伝承・国名: 北米(主にアメリカ・カナダ)伝承
- 概要: 巨大で毛むくじゃらの人型霊長類。森の奥深くに生息するとされ、数々の目撃情報や足跡が伝えられている。
- Hibagon (ヒバゴン)
- 伝承・国名: 日本伝承
- 概要: ビッグフットやイエティに似た、猿に類する謎の存在。日本各地で目撃され、山岳地帯の伝説として語られる。
- Jué yuán (ジュエ・ユアン)
- 伝承・国名: 中国・日本伝承
- 概要: 青毛の人型リスザルとされ、女性を誘拐するという逸話が伝わる。神秘的で妖艶な側面が強調される。
- Satori (サトリ)
- 伝承・国名: 日本伝承
- 概要: 心を読む力を持つ霊長類または猿の精霊。修行僧や山伏との伝説に登場し、神秘的な存在として描かれる。
- Shōjō (ショウジョウ)
- 伝承・国名: 日本伝承
- 概要: 毛むくじゃらで愛らしい姿の霊的存在。しばしばオランウータンに似た特徴を持ち、宴や祭りの逸話に絡められることもある。
- Shug Monkey (シャグ・モンキー)
- 伝承・国名: イギリス伝承
- 概要: 犬と猿が合わさったかのような外見の怪物。迷い込んだ旅人に奇妙な体験をもたらす存在として語られる。
- Sun Wukong (孫悟空 / ソン・ウーコン)
- 伝承・国名: 中国伝承
- 概要: 石から生まれたと言われる、強力な戦士であり魔法使いの猿。『西遊記』の主人公として、知恵と力の象徴となっている。
- Vanara (ヴァナラ)
- 伝承・国名: インド・ヒンドゥー伝承
- 概要: 人間と猿の特徴を併せ持つ種族。『ラーマーヤナ』などの叙事詩に登場し、英雄の仲間として活躍する。
- Yeren (イェレン)
- 伝承・国名: 中国伝承
- 概要: 山岳地帯に生息する謎の人猿。「野人」とも呼ばれ、数々の目撃情報や民間伝承が存在する。
- Yeti (イエティ)
- 伝承・国名: ヒマラヤ(ネパール、チベット)伝承
- 概要: 雪深い山岳地帯に住むとされる、巨大で毛むくじゃらの霊長類。「雪男」とも呼ばれ、寒冷地の伝説として有名。
- Yowie (ヨウイー)
- 伝承・国名: オーストラリア伝承
- 概要: オーストラリアの奥地に生息すると言われる謎の人型生物。イエティやビッグフットと類似点が指摘され、各地で目撃情報が報告されている。
6. 蜘蛛系の生き物
- Anansi (アナンシ)
- 伝承・国名: 西アフリカ伝承
- 概要: 知恵と策略を象徴するトリックスター。物語や寓話で語られる蜘蛛神。
- Arachne (アラクネ)
- 伝承・国名: 古代ギリシア伝承
- 概要: 変身の呪いにより蜘蛛に変えられた織物の名手。傲慢への罰としての物語が有名。
- Iktomi (イクトミ)
- 伝承・国名: ラコタ族など北米先住民伝承
- 概要: トリックスターとして描かれる蜘蛛型の存在。人々に知恵や教訓を与える役割を担う。
- Jorogumo (ジョロウグモ)
- 伝承・国国: 日本伝承
- 概要: 美しい女性に変身する蜘蛛の妖怪。人を惑わせ、呪いや災いをもたらす存在とされる。
- Tsuchigumo (ツチグモ)
- 伝承・国名: 日本伝承
- 概要: 巨大な蜘蛛妖怪。山野や森に潜み、旅人に災いをもたらすと伝えられる。
7. コウモリ系の生き物
- Balayang (バラヤン)
- 伝承・国名: オーストラリア先住民伝承
- 概要: 蝙蝠の神格化された存在。夜空の守護者や伝説上の先祖神として語られる。
- Camazotz (カマソッツ)
- 伝承・国名: マヤ伝承(中米)
- 概要: 蝙蝠の姿を持つ死や夜の闇を象徴する神。恐怖と破壊のイメージで伝えられる。
- Leutogi (ルートギ)
- 伝承・国名: ポリネシア(サモア)伝承
- 概要: 蝙蝠に救われたとされる王女の伝説から発展。優雅さと神秘性が強調される。
- Minyades (ミニアデス)
- 伝承・国名: 古代ギリシア伝承
- 概要: 参加を拒んだ姉妹が蝙蝠に変えられるという伝説。神々への反抗と罰の象徴として描かれる。
- Tjinimin (チニミン)
- 伝承・国名: オーストラリア先住民伝承
- 概要: 祖先神や精霊の一体として、蝙蝠の姿が伝説に登場する。霊的な導き手とされる。
- Vetala (ヴェタラ)
- 伝承・国名: インド伝承
- 概要: 死体に宿る幽霊的存在。蝙蝠に似た姿で、恐怖とミステリーを呼び起こす。
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