古の日本人は、言葉一つひとつに自然や心情、神秘的な世界観を映し出してきました。本記事では、雅語古語や大和言葉といった日本語表現の中から、特に和の美を感じさせるフレーズを厳選してご紹介します。
日常や創作、贈り言葉に取り入れれば、現代の言葉では伝えきれない奥深い情緒を紡ぎ出すことができるでしょう。まずは、その響きと意味をじっくり味わってみてください。
🌸 美しき雅語・古語・大和言葉 一覧
- あかねさす(茜さす)
茜色に染まる夕陽、美しい枕詞 - あさぎり(朝霧)
朝方にたちこめる霧、神秘の象徴 - あだし野(徒野)
この世ならぬ場所、現世と彼岸の境 - あまのはら(天の原)
天の広がる様、天上の空間 - あやなし(文無し)
理不尽、理由なき悲しみ - あられ(霰)
冷たく降る小さな氷粒、儚さの象徴 - いくたび(幾度)
幾度も、何度も、繰り返される想い - いわね(岩根)
岩の根、変わらぬもの、信仰の対象にも - うきよ(浮世)
はかない世、現世の苦しみと無常 - うるはし(麗し)
美しく整っている、品と優雅の象徴 - えにしだま(縁魂)
人と人を繋ぐ魂の絆(神語的造語) - おごそか(厳か)
神聖で静粛な、神前の空気 - おもひびと(想ひ人)
恋い慕う人、愛しい人への古称 - かくりよ(幽世)
この世ならぬ異界、神々や死者の棲む場所 - かなしみ(哀しみ)
心に染みる深い哀愁 - からたちばな(唐橘)
常緑の実、永遠・不変の象徴 - きさらぎ(如月)
旧暦二月、寒さ残る月の名 - くちなし(梔子)
白い芳香の花、沈黙と純潔の象徴 - くれ(暮れ)
日暮れ、年の暮れ、終焉の美 - ことほぎ(言祝)
幸を祈る言葉、賀詞にも使われる - さざれいし(細石)
小さな石、積もりて巌となる(君が代より) - しぐれ(時雨)
晩秋から初冬の通り雨、情の深さ - しづしづ(静々)
静かに、ゆっくりと、優雅に - すえなが(末永)
長く続くことを祈る言葉 - そらね(空音)
虚しく響く音、心の空白 - たましい(魂)
命の本質、神聖な心の核 - ちるはな(散る花)
散りゆく花、命のはかなさと美の極致 - つきかげ(月影)
月の光、夜の静謐と情感 - はなむけ(餞)
旅立ちの贈り言葉、祈り - ひかげ(日陰)
日が届かぬ場所、控えめな心情の象徴 - ひより(日和)
穏やかで過ごしやすい日、良き兆し - ほのぼの
心が温まる様、優しさ - まなざし(眼差し)
想いを込めた目線、恋・願い・祈りの象徴 - みほとけ(御仏)
仏の敬称、慈悲と悟りの象徴 - あかつき(暁)
夜明け、希望と終わりのはざま - あけぼの(曙)
夜明け、明るみに出る気配 - あしびき
山にかかる枕詞、山を詠むときの美しき序詞 - あはれ
しみじみとした情緒、感動 - あまつそら(天津空)
天上の空、神域としての空 - あらたまの年
新年、改まった時の節目
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