黒という色には、夜の静けさや影の奥行き、冷たさの中にある理性、そして揺るがない威厳があります。
それらの感覚を、たった一語で伝えられるところに、言葉の力があります。
日本語には、漆黒や冥といった深みのある表現があり、ヨーロッパの言語には、歴史や信仰と結びついた闇の言葉が受け継がれてきました。
英語・フランス語・ドイツ語・北欧語・東欧語など、ヨーロッパ系の語を中心に眺めていくことで、黒という色が持つ多面性が少しずつ見えてきます。
響きの美しさに耳を澄まし、意味や背景に触れることで、黒の印象は平面から奥行きのあるものへと変わっていくはずです。
黒を表すかっこいい言葉 一覧
ここで紹介している名前は、創作・文章表現のヒントとして気軽に楽しんでいただくことを目的としています。意味や由来には複数説があるため、興味があればご自身でも調べてみてください。背景を知るほど名前選びはもっと楽しくなります。
※正しい発音・意味等は辞書などでご確認ください。
1. 黒そのものを表す言葉|色名・濃度としての黒
黒色そのもの、または“黒の深さ・艶・質感”をはっきり示す言葉を集めます。色名として使える語が中心で、称号・ネーミング・世界観づくりにも馴染みます。
- 漆黒(しっこく)
黒漆を塗ったように、深く艶のある黒。 - 黒(くろ)
色としての黒。 - 黒色(こくしょく)
黒い色そのものを示す語。 - 玄(げん)
奥深く測りがたい“黒”を感じさせる字・語(玄妙の玄)。 - 玄色(げんしょく)
赤黒の色。玄(深い黒)を色として示す言い方。 - 墨(すみ)
黒い色材(墨色の黒のイメージ)。 - 墨色(すみいろ)
墨のような黒。やや柔らかい黒の印象。 - 黒檀(こくたん)
非常に黒い材(エボニー)を指す語。 - 黒曜(こくよう)
黒曜石を連想させる硬質な黒の響き。 - Noir(ノワール|フランス語)
「黒」。暗さ・渋さも含む語感。 - Schwarz(シュヴァルツ|ドイツ語)
「黒」。 - Nero(ネロ|イタリア語)
「黒」。 - Obsidian(オブシディアン|英語)
黒い火山ガラス(黒曜石)。 - Ebony(エボニー|英語)
黒檀/非常に濃い黒を指す語。 - Onyx(オニキス|英語)
宝飾で“黒い石”として扱われることが多いオニキス。 - Jet-black(ジェットブラック|英語)
“漆黒級に真っ黒”を強調する定番表現。 - Pitch-black(ピッチブラック|英語)
光がないほどの真っ暗な黒(強い強調)。
2. 闇・暗黒・深淵を表す言葉|光の届かない領域
「黒」を“空間・状態・概念”として表す言葉を集めます。闇、深淵、冥界など、重さや畏怖をまとった語が中心で、ファンタジー・ミステリー系のネーミングとも相性が良い領域です。
- 闇(やみ)
光のない暗がり。比喩としても使われる基本語。 - 暗黒(あんこく)
光が一切ない暗さ、または希望のない状態。 - 深淵(しんえん)
川などの深い所/比喩的に底知れぬ奥深さ。 - 奈落(ならく)
底のない落下・地獄の底を思わせる語。 - 冥府(めいふ)
死後の世界、特に地獄(閻魔の庁)。 - 冥界(めいかい)
宗教や神話で語られる“死後に行く世界”。 - 黄泉(よみ)
古くから語られる死者の国(よみのくに)。 - 幽冥(ゆうめい)
幽(かすかな闇)と冥(冥い世界)の重なりを感じる語。 - Void(ヴォイド|英語)
空虚・虚無。黒い“空白”のイメージ。 - Abyss(アビス|英語)
深い底なしの裂け目・深淵(語源的にも“底なし”の系譜)。 - Darkness(ダークネス|英語)
闇・暗黒。 - Obscurity(オブスキュリティ|英語)
暗がり/不明瞭さ(影に隠れる感じ)。 - Gloom(グルーム|英語)
薄暗さ、沈んだ暗さ。 - Tenebrae(テネブレ|ラテン語)
「闇・暗黒」を指すラテン語(典礼名にもなる語)。 - Umbra(ウンブラ|ラテン語)
「影」。最も暗い影の領域を指す語としても使われる。 - Chthonic(ソニック/クトニック|英語)
冥界・地下世界に関わる、の意味。 - Eclipse(エクリプス|英語)
食。光が覆われる“黒の現象”。 - Nightfall(ナイトフォール|英語)
夜の訪れ。闇が降りてくる感覚。

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