神話や宗教学の世界には、古代から現代にいたるまで語り継がれてきた「女性悪魔」の存在があります。
その名には 誘惑・破滅・呪い・心理的恐怖 といった、人間の深い本能に触れるテーマが込められており、知れば知るほど魅力的で奥の深い領域です。
本記事では、文献性・歴史性・象徴性を踏まえて厳選した最強の女性悪魔ランキングTOP20 を一覧でわかりやすく紹介します。
以下の観点から、一体ずつまとめています。
- 名前に込められた意味
- 起源となった神話や宗教的背景
- どんな能力・象徴を持つのか
- なぜ“強さ”や“恐怖”の象徴とされたのか
神話の奥に潜む人類共通の感情と、女性悪魔がもつ象徴的な力を、ぜひ紐解いてみてください。
- 最強の女性悪魔ランキングTOP20
- 第20位 ラバルトゥ(Labartu / Labartu=Lamashtu)
- 第19位 エイシェト・ゼヌニム(Eisheth / Esheth Zenunim)
- 第18位 悪しきウトゥック(Evil Utukku / Utukku limnuti)
- 第17位 ガッラ悪魔(Gallu demoness)
- 第16位 グーラ(Ghoula / Ghulah)
- 第15位 パリカー(Parika / Pari)
- 第14位 ブーシュヤンスター(Bushyasta)
- 第13位 オノスケリス(Onoskelis)
- 第12位 グレモリー(Gremory / Gomory)
- 第11位 マハラト(Mahlat / Machaloth)
最強の女性悪魔ランキングTOP20
第20位 ラバルトゥ(Labartu / Labartu=Lamashtu)
ラバルトゥは「山や湿地に潜む女悪魔」という名に由来し、メソポタミア神話において妊婦や乳児を狙う半女神的デーモンとして位置づけられ、その強さと恐怖は人々が実際に護符や呪文を用いて対抗したほど現実的な災厄として認識されていたことに由来します。
能力・象徴:
ラバルトゥは、乳児を盗む・病気を与える・悪夢をもたらすといった害悪の象徴です。メソポタミアの魔術文書では、彼女から子どもを守るための護符や呪文が多く残されており、「実在する脅威」として強く意識されていました。
第19位 エイシェト・ゼヌニム(Eisheth / Esheth Zenunim)
「売春・淫蕩の女」を意味する名を持つ彼女は、ユダヤ神秘主義(カバラ)の“サマエルの四人の伴侶”の一柱としてクリフォトの王女の座を与えられ、性的堕落を通じて魂を崩壊させる力ゆえに“静かに人を破滅させる恐怖”の象徴となりました。
能力・象徴:
エイシェト・ゼヌニムは、人間を性的な誘惑と快楽に溺れさせ、その魂を堕落させていく悪魔として描かれます。「罪の女性的擬人化」「淫蕩の権化」とも呼ばれ、信仰や倫理を腐らせる力を持つとされました。
第18位 悪しきウトゥック(Evil Utukku / Utukku limnuti)
「邪悪な霊」を意味するウトゥックはメソポタミアの冥界起源の悪魔群であり、家庭や身体に取り憑いて病や不幸をもたらす“姿なき災厄”として恐れられ、対処呪文が大量に残るほど「日常生活に潜む最凶の敵」として認識されていました。
能力・象徴:
悪しきウトゥックは、病気・不幸・精神的苦悩など、目に見えない災厄をもたらす存在で、家屋や身体に取り憑くと信じられていました。出産や家庭に害を及ぼす女性的悪霊もウトゥック系として扱われます。
第17位 ガッラ悪魔(Gallu demoness)
「地の底から引きずり降ろす者」を意味するとされるガッラ悪魔は、メソポタミア神話で冥界の執行者として魂を強制的に連れ去る存在であり、“死そのものの執行システム”を体現する絶対的強制力ゆえに古代の人々から極度の恐怖を向けられました。
能力・象徴:
ガッラ悪魔は、魂を冥界へと引きずり込む力を象徴します。死の不可避性を体現する存在で、逃げられない“冥界の執行官”として恐れられました。
第16位 グーラ(Ghoula / Ghulah)
アラビア語の「襲いかかる者」を語源とする女性グールは、イスラム以前から墓地や荒野に潜む人喰い悪魔として語られ、変身して旅人を欺く恐ろしさと“文明の外側に潜む捕食者”という性質から、アラビア世界で最も現実的な脅威として恐れられました。
能力・象徴:
グーラは、人肉・死体を喰らう、姿を変える、迷い人を惑わせる能力を持つとされます。美しい女や親族の姿に変化し、油断した旅人を人里離れた場所へ誘い込んで喰い殺すと語られています。
第15位 パリカー(Parika / Pari)
パリカーは「誘惑する存在」を意味する精霊名に由来し、ゾロアスター教の悪魔体系(デーヴ)に取り込まれたことで堕落・幻惑を司る女悪魔として再定義され、人間の心を乱し霊的堕落へ導く“内側から破壊する悪魔”として恐れられました。
能力・象徴:
パリカーは、美貌で惑わせる・幻術・精神を乱す・英雄すら破滅させるといった性質を持つとされ、ゾロアスター教の神々の敵として「欲望と堕落の化身」として描かれます。
第14位 ブーシュヤンスター(Bushyasta)
「怠惰の悪魔」を意味するブーシュヤンスターは、ゾロアスター教で世界規模の悪徳を司る女性的デーヴとして描かれ、意志や行動力を腐らせ文明そのものを弱体化させる“精神破壊の悪魔”として強大な影響力を持った存在とされました。
能力・象徴:
ブーシュヤンスターは、怠惰・無気力・先延ばし・精神の堕落を引き起こすとされ、人々が善行を行う力そのものを奪う「世界を停滞させる破壊者」とされています。
第13位 オノスケリス(Onoskelis)
“ロバの脚を持つ女”を意味する名に由来するオノスケリスは、『ソロモンの遺訓』に登場する美しさと異形が同居する女悪魔であり、外見的魅力で誘惑しつつ呪いを広げる“美と怪異の二面性”ゆえに古代の魔術体系で特に危険視されました。
能力・象徴:
オノスケリスは、美貌で誘惑する・足に宿る怪異性・呪いをもたらす・男性を堕落させるといった性質を持ち、ソロモン王でさえ警戒した異形のデーモンとして知られます。
第12位 グレモリー(Gremory / Gomory)
“高貴な女性”を思わせる名を持つグレモリーは、ゴエティア72柱の中で珍しく女性の姿で現れる高位の悪魔として記録され、愛・未来予知・死者の知識を操る霊的権能が高いため“魔王級の女性デーモン”として古代魔術書で重視されました。
能力・象徴:
グレモリーは、愛の操作・未来予知・宝物の所在の暴露・死者との交信といった力を持ち、召喚者に多大な知識と影響力をもたらすとされる極めて強力な女性悪魔です。
第11位 マハラト(Mahlat / Machaloth)
名が「赦し/誘惑」を連想させるマハラトは、ユダヤ悪魔体系でアグラットの母とされる女悪魔で、堕落の血統を象徴する“誘惑の源泉”として位置づけられ、その高い格と破滅的な影響力から深い恐怖の対象となりました。
能力・象徴:
マハラトは、誘惑・性的堕落・人間の意志の弱体化・悪魔的血統の継承といった象徴を持ち、ユダヤ神秘主義では“堕落の母”として重要視される存在です。

コメント